エディプスコンプレックスの語源「オイディプス王」がじわじわ来るw

フロイトが提唱した「エディプスコンプレックス」の語源ともなった、ギリシャ神話「オイディプス王(Oedipus Tyrannus)」(エディプスは、オイディプスの英語読み)。

「道をゆずらなかった」というだけで老人を殺害してしまうDQNな若者「オイディプス」が、怪獣「スフィンクス」を退治して国王になるという、ヤンキーが社長になる的な感動のサクセスストーリーです。

ギリシャ神話の中でも特に有名なエピソードですが、オイディプスとスピンクスの対決はなんと「なぞなぞ」(笑)

じわじわ来るギリシャ神話「オイディプス王」のあらすじと、エディプスコンプレックスについてまとめました。

ギリシャ神話「オイディプス王」のあらすじ

なぜか裸のなぞなぞ対決。オイディプスもスフィンクスも命懸けだ。

なぜか裸のなぞなぞ対決。オイディプスもスフィンクスも命懸けだ。そして背後の男は一体・・・・・・。
出典:Wikipedia

オイディプスの波乱万丈な生い立ち

舞台は古代ギリシャの「テーバイ」という都市国家(ポリス)。

テーバイの国王「ライオス」は、「男児を得る時は、その子が父を殺すだろう」という神のお告げを受けていました。

しかし、ライオスは酒に酔った勢いで妻の「イカオステ」と交わり、男の子が誕生してしまいます。

神のお告げを怖れていたライオス。

「今すぐ捨てて来い!!!」

なんと生まれたばかりの自分の赤ん坊を、テーバイの隣国「コリントス」との国境付近に捨てるよう家臣に命じます。

「いくら国王の命令とは言え、赤ん坊があまりにもかわいそう・・・・・・」

心ある家臣は赤ん坊をどうしても捨てられず、山中で出会った羊飼いに渡します。

そして、羊飼いからコリントスの王様のもとへと運ばれるのですが、コリントス王には子供がいなかったため、コリントス王の実子として育てられることになりました。

コリントス王は赤ん坊に「オイディプス」と名付け、愛情をもって育てました。

それにしてもなぜ、羊飼いの身分で王様とのコネクションを持っていたのでしょうか。

子供がいなかったとは言え、他国から来た捨て子を育てるのは王様としてどうかと・・・・・・。

悲劇の始まり・・・神のお告げでテーバイへ

オイディプスはとても優秀な若者に育ちました。

しかし、優秀であるがために周りからの嫉妬を買ってしまい、「お前は継子だ」と中傷されるように。

いじめに耐えられなくなったオイディプスは、神に真実を問います。

しかし、神のお告げは、「故郷へ帰ってはならぬ。お前は父を殺し、母を娶るであろう」というもの・・・・・・。

いじめの相談をしたのにこの回答で草生えますが、神のお告げは絶対。

「この私が父を殺し、母と交わるだと?」

オイディプスは神のお告げが現実にならぬよう、故郷のコリントスへは帰らず、隣国のテーバイへと向かう決心をします。

つまり、神のお告げ通りに、オイディプスは実の両親のもとへと向かうのでした。

オイディプス、道をゆずらなかった老人を殺害

オイディプスはテーバイへ向かう途中、狭い山道で老人に出会います。

そして、老人と道をゆずるゆずらないで喧嘩になり、オイディプスはなんとその老人を殺害・・・・・・。

この時、神のお告げは一つ、現実になりました。

オイディプスが殺害したこの老人こそ、テーバイの国王であり、実の父親である「ライオス」だったのです。

もちろんオイディプスはそんなことは知らず、人を殺したというのに何事もなかったかのようにテーバイに入国します。

良識ある若者なら、老人に道をゆずったことでしょう。

そもそも国王なのに、ボディガードはいなかったのでしょうか。

オイディプスとスフィンクスとのなぞなぞ対決

テーバイでは、「スフィンクス」という怪獣が住民を苦しませていました。

下半身はライオン、上半身は美しい人間の女性、そして鷲の翼を持つという怪獣。

テーバイの人々に「なぞなぞを出題しては、答えられなかった者を食い殺す」という、理不尽で残虐極まりない悪事を働いていました。

そのなぞなぞとは、「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足、それは何?」という問題。

テーバイの人々が誰一人として答えられなかった超難問ですが、オイディプスは見事正解。

スフィンクスは自害し、オイディプスはテーバイの人々を救った英雄として讃えられます。

そしてついに、オイディプスはテーバイの国王となるのです。

朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足、それは何?

あなたの答えは何ですか?

神のお告げ通りに・・・悲劇の結末

テーバイの国王となったオイディプスは、未亡人となっていた王妃「イカオステ」を妻として娶ります。

そして、イカオステとの間に4人の子供を授かりました。

つまり、オイディプスが受けた神のお告げ「お前は父を殺し、母を娶るであろう」は、完全に現実となったのです。

妻と4人の子供に恵まれたオイディプスは、しばらくの間は国王としての仕事を問題なくこなしていました。

しかし、やがてテーバイに凶作や疫病が続くようになります。

国王に即位して以来の困難に直面し、またも「神のお告げ」を頼ったオイディプス。

今度は次のように告げられます。

「先王を殺し、人の道に外れた行為を犯した者がいる、その者を追放しなければならない。」

その者とはつまり、オイディプスのことですが、そんなことはつゆ知らず、先王ライナスを殺害した犯人捜しを始めます。

捜査の結果、犯人は自分であると知ったオイディプス。

実の父親であるライナスを殺害し、実の母親であるイカオステと交わり、4人の子供を授かる・・・・・・。

「人の道に外れた大罪」を犯していたことに、大きなショックを受けました。

オイディプスは、自ら両目をつぶして盲人となり、子供を連れて放浪の旅に出ます。

イオカステは自害。ギリシャ神話「オイディプス王」の悲劇の結末です。

じわじわ来るw なぞなぞ怪獣「スフィンクス」

じわじわ来るw なぞなぞ怪獣「スフィンクス」

色々と突っ込みどころ満載のギリシャ神話「オイディプス王」。

中でもなぞなぞ怪獣「スフィンクス」は、じわじわ来る面白みがあります。

ライオンの身体、美しい人間の女性の顔と乳房、鷲の翼を持つ怪獣。

「小さくてちょっとかわいらしい」って思ったのは私だけ?

「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足、それは何?」

テーバイの人々が誰一人正解できなかった超難問。あなたは答えられますか?
 

スフィンクス

朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足、それは何?
それは人間。幼い時は4本足で這い、やがて二本足で歩く。そして年老いると杖をつく。

オイディプス

スフィンクス

もう一度聞く。朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足、それは何?
それは人間。幼い時は4本足で這い、やがて二本足で歩く。そして年老いると杖をつく。

オイディプス

スフィンクス

くっ、もう一度聞くぞ。朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足、それは何?
それは人間。幼い時は4本足で這い、やがて二本足で歩く。そして年老いると杖をつく。

オイディプス

スフィンクス

ファイナルアンサー?
それは人間。幼い時は4本足で這い、やがて二本足で歩く。そして年老い・・・・・・。

オイディプス

スフィンクス

ちょっ、おまっ、おいやめろっ!やめろって!!!

自信満々で出題したなぞなぞを、オイディプスにあっさりと正解されてしまったスフィンクス。

ショックのあまり、自害してしまうんですね。

人を食い殺せる力があるのに、最後までなぞなぞで挑み続ける。そして最後は、負けを認めて潔く自害。

まさになぞなぞのプロフェッショナル。いいキャラしてます。

エディプスコンプレックスとは?

ジークムント・フロイト

ジークムント・フロイト(独: Sigmund Freud、1856年5月6日 – 1939年9月23日)
出典:Wikipedia

フロイトが提唱した「エディプスコンプレックス」は、この「オイディプス王」の物語が語源となっています。

エディプスコンプレックスとは、「人間の男子は、誰しも幼いころは父を憎み、母に愛情を覚えるという心理傾向」のことを言います。

エディプスコンプレックスには批判も多いようですが、「母に愛情を覚える」というのは割とある気がします。

私の息子(3歳)も、お風呂に入る時や夜寝る時に、「お母さんじゃないと絶対イヤだ」ってなることがあります。

全力で拒否されるんで結構ヘコむんですが、「エディプスコンプレックスだからしょうがない」って思うとちょっと楽(笑)

ちなみに、エレクトラコンプレックス、ディアナコンプレックス、メサイアコンプレックスなど、ギリシャ神話や聖書をもとにした心理学用語はフロイトが先駆けだそうです。

日本人にはあまりなじみがないギリシャ神話ですが、欧米人にとっては浦島太郎や桃太郎のように誰もが知っている物語。

「エディプスコンプレックス」というネーミングは、非常にわかりやすいと大好評だったようですよ。

ギリシャ神話を読むのにおすすめの本

読んでみると面白いギリシャ神話。

特に欧米人との付き合いが多い方は、教養として読んでおくことをおすすめします。

ギリシア神話をザっと読むなら、阿刀田高先生の「ギリシア神話を知っていますか」という本がおすすめです。

あらすじをポップな感じでわかりやすくまとめてあるので、とても読みやすいですよ。